想い出の映画たち。

ふと思い出して、衝動で買ってしまった。
中古でとても安く買えることもあったからだ。
3枚買っても3000円くらいだった。

この3枚のDVDには想い出がある。
当時の場面や匂いを思い出す。

「地球で最後のふたり」
この映画を知ったのは、朝のBTSの中だった。
いつものように、オンヌット駅からサパンタクシン駅に向かうBTSに乗り込む、朝の通勤時間のBTSは混雑する。シャンプーの匂いとシッカロールの匂い。
ピンク色のポスターに黒文字英語で「LAST LIFE IN THE UNIVERSE」とBTSの社内広告が張ってあった。凄く格好の良いポスターだなと思い暫く見とれていた。
社内を見渡すと、どうもこのピンクのポスターにBTSの社内がジャックされていたようだ。
BTSがトンロー駅に泊まる。トンロー駅の前にはシネコンがある。
そこに、大きなピンクのそれが掲示されていた。
「映画か」とやっと気付いた。
絶対に観ようとも思った。
バイト先で、その話しをすると当然皆知っていて「日本の俳優が出る」と言う。
邦題は「地球で最後のふたり」だった。

バイト先の同じフロアーにセンスの良い日本人男性がいた。
その彼が「地球で最後のふたり」ついて色々教えてくれた。
センスの良い男性と以前食事したときに話題にしていた映画
邦題「わすれな歌」と同じ監督だと言う。
センスの良い彼は、「わすれな歌」のラストシーンでヒロインが言う
セリフで笑ってしまい、周囲からひんしゅくを買ったと苦笑していた。

「夏至」はある女性との想い出の一場面を想い出す。
映画の内容は想い出に関係しないが「夏至」と聞くと必ず思い出す光景がある。

現地で暮らし始めて数ヶ月たった。
体調を崩し、20キロほど痩せていた。
暮らしにもなれたが、電気も水道も無い生活はやはり厳しい。
何かと理由をつけて、国境を越え電気と水道が通っている町に逃げていた。
郵便局にはPOボックスがあり、たまに届く郵便物を確認する。
その日は、とても熱い日で丁度町で人を迎える予定があったので、お昼すぎに町に入り、
ネットカフェでE・メールの確認・ホテルのチェックインなどするつもりでいた。
いつもとおり町に入り日課のPOボックスを確認しにいくと、ある女性から大きな私宛の荷物が来ていた。
郵便局の前で、急いで大きな箱の中を見ると、たくさんの日本の食べ物が入っていた。
こちらで暮らす中、嫌な思や悲しい気分になり、ふさぎこむ事が多かった。
その場で久しぶりに嬉しい涙がこぼれた。
遠く離れた所からの人の優しさに触れたからであろう。
あの日見た、郵便局で見上げた太陽は忘れられない。

「夏至」と言う言葉を聞くと、この一場面を想い出す。
ある女性が「夏至」を紹介してくれたからだ。
想い出のリンクは複雑だ。



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